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六道珍皇寺

名称 六道珍皇寺
住所 605-0811 京都府京都市東山区大和大路通四条下る四丁目小松町595
拝観時間 9:00~16:00
拝観料金 重文の本尊・薬師如来並びに寺宝(参詣曼荼羅・熊野観心十界図、他地獄絵等)拝観はお一人500円(高校生以上)、中学生300円、小学生100円
URL

http://www.rokudou.jp/

大椿山と号し、臨済宗建仁寺派に属する。
当寺は、平安遷都以前、東山阿弥陀ヶ峰山麓一帯に居住した鳥部氏(とりべし)の氏寺(宝皇寺)が前身とも、空海の師、慶俊僧都が創建したものとも伝えられているが、正平年間(1346~70)に、建仁寺の僧、良聡によって再興され、現在に至っている。
薬師堂には、木造薬師如来座像(重要文化財)を安置し、閻魔(えんま)堂には、木造閻魔大王座像と小野篁(おののたかむら)の立像が祀られている。
また、当寺門前は、俗に「六道の辻(ろくどうのつじ)」と呼ばれ、毎年8月7日から10日までの4日間は、「六道詣り(ろくどうまいり)」といわれる精霊迎えのため、多くの参詣者で賑う。
「六道」とは、一切の衆生が生前の善悪の業因によって必ず往くとされる地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上の6種の霊界のことで、参詣者は、この期間、先祖の精霊を迎えるため、高野槇を買い求め、鐘(迎え鐘(むかえがね))を撞き、本堂で経木に戒名を書いて水回向を行う。
なお、境内裏庭には、小野篁が冥土通いをしたといわれる井戸がある。

◆お迎え鐘
この鐘楼にかかる鐘は、毎年の盂蘭盆会にあたり精霊をお迎えするために撞かれるが、古来よりこの鐘の音は、遠くは十萬億土の冥土まで響き渡り、亡者はそのひびきに応じてこの世に呼び寄せられると伝わることから「お迎え鐘」と呼ばれている。

「古事談」によれば、この鐘は当寺を開基した慶俊僧都が作らせたもので、あるとき僧都が唐国に赴くとき、この鐘を三年間、この鐘楼下の地中に埋めておくようにと寺僧に命じて旅立った。

ところが、寺僧は待ちきれず、一年半ばかりたって掘り出して鐘を撞いたところ、遥か唐国に居る僧都に聞こえたという。僧都は、「あの鐘は、三年間地中に埋めておけば、その後は人の手を要せずして六時になると自然に鳴るものを、惜しいことをしてくれた」と、大変残念がったという。

しかし、そんなはるか彼方の唐国にまでも響く鐘なら、おそらく冥土まで届くだろうと信じられ、このような「お迎えの鐘」になったと伝えられる。

かかる話は「今昔物語」巻三十一にも同工異曲(どうこういきょく)の物語で出ている。こうした由来の鐘であるから、お盆の時期にはこのお迎え鐘を撞く順番を待つ参詣人の列が八坂通りまで蜿蜒(えんえん)と続く。

そんな風景をみて昭和初期の歌人、川端茅舎は次のような俳句を詠んでいる。

金輪際 わりこむ婆や 迎え鐘

迎え鐘 ひくうしろより 出る手かな

毎年お盆の時期になると、このお迎え鐘は千年もの長きにわたり澄んだ音色を時空をこえて冥土まで響かせ、旅立たれた多くの精霊たちを晩夏の都に迎えている。そして、また来るお盆を迎えるまでは、この寺を訪れる多くの人たちの心の安らぎと幸せをもたらす「慈しみの鐘」として、その穏やかな音色は渇いた心をやさしく癒してくれる。

◆冥土通いの井戸
当寺の本堂裏庭の北東角(格子窓より見て右手奥辺り)にある井戸は、平安時代の昔に篁が冥府の閻魔庁の役人として現世と冥界の間を行き来するのに使ったところといわれている。

いい伝えによれば、篁は亡き母御の霊に会うために、この鳥辺野にある当寺を訪れ、冥土に通じるといわれるこの井戸を使ったのが最初と言われている。

また、「矢田地蔵縁起」にある大和の国(奈良県)金剛山寺(矢田寺)の漫慶上人が、篁を介しての閻魔大王の招きに応じて、衆生を救うための戒行である菩薩戒を授けに閻魔庁へ赴くいたのも当寺の井戸からとされるなど、珍皇寺の井戸と篁さらには冥界を結びつける不思議な伝説は数多くある。

このように当寺にある井戸は、篁が冥土通いのために往来したところとして知られるが、その帰路の出口として使いこの世に戻ったところが、嵯峨の大覚寺南付近の六道町の一郭に明治の初め頃まであったとされる福生寺の井戸であるとする説もある。

しかし、残念ながら今はその遺址もなく、井戸の伝承はかつての福生寺の本尊として伝わる地蔵菩薩とともに清涼寺西隣の薬師寺に引き継がれている。

これは、平安の昔には珍皇寺あたりの洛東の鳥辺野とともに嵯峨の奥、化野(あだしの)もまた当時の墓所であったことより、ここにもやはり六道の辻は存在していたとすれば、閻魔王宮に出仕していた篁が、冥府よりの帰路に出口としていた説もうなずけるところである。

尚、当寺の冥土通いの井戸の傍の少祠には、篁の念持仏であった竹林大明神が祀られている。

京都府京都市東山区小松町595

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