名称 | 瑠璃光院 |
住所 | 601-1255 京都府京都市左京区上高野東山55 |
拝観時間 | 常時非公開 |
拝観料金 | |
URL | http://rurikoin.komyoji.com/ |
ここ「八瀬」は「矢背」とも記されるように、壬申(じんしん)の乱(六七二)で背に矢傷を負った大海人(おおあまの)皇子(おうじ)(天武(てんむ)天皇)が「八瀬のかま(竈)風呂」で傷を癒したことから、平安貴族や武家の時代を通じて「やすらぎ」の郷として長く愛されてきた。
この地には、当初、明治に建てられた別荘があり、三条(さんじょう)実(さね)美(とみ)はこれを「喜(き)鶴亭(かくてい)」と名づけ、直筆の命名額が当院に残されている。
「喜(き)鶴亭(かくてい)」は茶室名として現在も受け継がれている。
その後、昭和初期にかけて、一万二千坪の敷地に東山を借景とした築庭と延べ二百四十坪に及ぶ数寄屋造りに大改築された。
建築にあたった棟梁は、京数寄屋造りの名人と称された 中村外二(なかむらそとじ)、築庭は、佐野(さの)藤(とう)右(え)衛門(もん)一派の作と伝えられている。
その後現在まで、日本情緒あふれる名建築・名庭として著名人をはじめ多くの人々に親しまれ、近年では囲碁本因坊や将棋名人戦の舞台にもなったことが知られている。
山門を入ると、数十種類のもみじや苔、数百本の馬酔木(あせび)、比叡山の伏流水が、主庭「山(やま)露(ろ)路(じ)の庭」、「瑠璃の庭」、「臥(が)龍(りょう)の庭」を四季折々の趣で彩っている。
◆瑠璃の庭
八瀬逍遥、風雅有情。
花馬酔木と青もみじがまばゆい春、一面錦に彩られる秋…。
豊かな自然と日本情緒あふれる建造物や名庭があやなす四季折々の興趣。
◆山門
叡山電鉄の八瀬比叡山口駅より高野川の清流に沿い、橋を渡ると瀟洒な姿が目に入ります。
◆山露路(やまろじ)の庭
苔むした庭から見え隠れする茶庵と十三重の石塔。よく手入れされた数十種のカエデが、春の青もみじ、秋の錦繍を競い合います。
◆玄関
池に掛かる石橋から、泳ぐ鯉を見下ろせば、すぐそこは玄関。数寄屋造りの優雅さに期待が弾みます。
◆書院
典雅な中にも匠の技が光る名建築。「瑠璃の庭」を一望して、至福の一時がゆるやかに流れます。
◆瑠璃の庭
一面に苔の絨緞で覆われた当寺の主庭。苔の間をぬって一条のせせらぎが優美な曲線を描き、清らかに流れます。
◆臥龍(がりょう)の庭
今にも天に駆け昇ろうとする龍を水の流れと石組で躍動的に表した池泉庭園。佇む人の心を解き放ち、昇運の兆しをもたらします。
◆茶庵「喜鶴亭」
三条実美公ゆかりの由緒ある茶室。和敬静寂の精神を映す千家第六代覚々斎原曼好みの佇まい。
◆花馬酔木と紅葉
春は白いつぼ形の可憐な花を咲かせる樹齢百年を超える花馬酔木の花。秋は異なる種類のカエデの木々が錦織の景観を見せてくれます。
◆八瀬名物「かま風呂」
日本式蒸し風呂の原型であり、有名な「八瀬のかま風呂」の現存する希少な遺構。ご見学も可能です。