名称 | 壷阪寺(南法華寺) |
住所 | 635-0121 奈良県高市郡高取町壷阪3番地 |
拝観時間 | |
拝観料金 | |
URL | http://www3.pref.nara.jp/kankou/1150.htm |
壷阪寺は、大宝三年(西暦703年)弁基上人によって開かれた霊山で、正式には「壷阪山南法華寺」と言います。十一面千手観音様をご本尊として祀る観音信仰の一大道場で、西国霊場の第六番札所です。
古来から眼病に霊験あらたかな寺として信仰され、説話「壷坂霊験記」におけるお里・沢市の話は、あまりにも有名です。また、日印合同でさまざまな浄業を行っており、境内にはインドで製作された大観音石像(全高20m)や仏伝図石造レリーフ(全長50m)大涅槃石像(全長8m)などの大石造美術が安置されています。
壷阪寺は、昔から目の不自由な人々にとっての聖地として厚い信仰と、深い願いがこめられ、全国各地から訪れる人が絶えません。
◆「壺坂霊験記」お里・沢市投身の谷
今より300年以上昔、座頭の沢市は三つ違いの女房お里と貧しいながらも仲睦まじく暮らしていた。沢市は盲目ゆえ琴三味線を教え、お里は内職というなんともつつましい暮らしであった。
そんな沢市の胸中に一つの不安が生まれていた。というのも明けの七つに(午前4時)になると、お里が毎朝床を抜け出していたからだ。
「もしや好きな男が・・」と問いただすと、お里は沢市の目の病が治るよう、この三年もの間欠かさず壺阪寺の観音様に朝詣でをしていると訴える。
疑った自分を恥じる沢市はともに観音様にお詣りすることにしたが、心の中は盲目がゆえに不遇な暮らしをしているのだと自分を責める。そして、一度お里を家に帰して、お里を自由な身にしてやろうと自分の身を投げてしまうのだった。
不吉な予感であわてて戻るお里は、非常な現実に遭遇し、自らも身を投げてしまう。
しかし、二人のせつない夫婦愛が、観音様の霊験により奇跡が起こり、沢市・お里は助かり、沢市の目が開眼した。
この地は、そのお里、沢市が身を投げた、投身の谷と言い伝えられている。