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瑞泉寺

名称 瑞泉寺
住所 神奈川県鎌倉市二階堂710
拝観時間
拝観料金
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嘉暦二年(1327)七朝帝師夢窓国師は西の富士山を客山に北の天台山を主山とする禅院相応の勝地この錦屏山に自ら瑞泉寺を開かれ、中腹の鎌倉石の岩盤に庭の約束事である滝・池・中島等のすべてを巧みにえぐって橋をかけ、さらに水を貯めて滝として流す貯水池までも刻んだ岩庭と呼ぶにふさわしい庭園を作られた。

山項の偏界一覧亭の前景を兼ねるこの瑞泉寺庭園は夢窓国師という優れた禅僧にしてはじめてなし得た禅の庭園で、後の西芳寺・天龍寺の先蹤をなすものである。

鎌倉に存する鎌倉期唯一の庭園として、また彫刻的手法の独自の意匠による庭姿をほとんど完全に伝える極めて稀なものとして国の名勝に指定されている。また五万坪に及ぶ広大な境内全域は鎌倉公方家四代の菩提所として関東十刹の首位に列せられた往時の規模をそのままよく保持し伝えるものとして国の史跡に指定されている。


◆名勝瑞泉寺庭園
紅葉ヶ谷を囲む三方の山が天然の垣根をなし、わずかに開けた西の空に富士山を仰ぐこの地を選び、天台山、錦屏山を背景として、夢窓国師は庭園を作られました。それは、鎌倉石の岩盤に地形に即して巧みに彫刻をほどこした、鎌倉ならではの性格のものでした。

境内の北の一隅の岩壁の正面に大きな洞(天女洞)を彫って水月観の道場となし、東側には座禅のための窟(座禅窟、葆光窟)をうがちました。天女洞の前には池を掘って貯清池と名づけ、池の中央は掘り残して島となしました。

水流を東側に辿れば滝壺に水分け石があり、垂直の岩壁は滝、その上方をさらに辿れば貯水槽があって天水を蓄え、要に応じて水を落とすしつらえとなっています。

池の西側には二つの橋がかかり、これを渡るとおのずから池の背後の山を辿る園路に導かれます。非公開ですが二つの橋も数えて十八曲がりに園路を登ると錦屏山の山頂に出て、私たちはそこにまた大きな庭と出会います。

鶴ヶ丘から鎌倉周囲の山並みが幾重にも浪状をなして重なり、遠くには箱根の山々がかすみ、右手に霊峰富士が大きく裾を広げる足下には、相模湾が自然の池をなしているのです。借景の大庭園の広がるこの山頂に夢窓国師は小亭を建て、界一覧亭と名づけました。

岩盤を彫刻的手法によって庭園となした、「岩庭」とも呼ぶべきこの庭園は、書院庭園のさきがけをなすものであり、鎌倉に残る鎌倉時代唯一の庭園なのです。

神奈川県鎌倉市二階堂710

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