名称 | 宝厳院 |
住所 | 616-8385 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町36 |
拝観時間 | 9:00~17:00 拝観は春・秋の特別公開時のみ(行事等で拝観停止の時間あり)、期間外は非公開 |
拝観料金 | ※特別公開時 大人 500円 中学生 300円 小学生 300円 |
URL | http://www.hogonin.jp/ |
臨済宗・天龍寺塔頭。
寛正2年(1461年)聖仲永光禅師を開山に迎え創建。
もとは上京区禅昌院町にあり、細川頼之の昭堂を寺としたという。
応仁の乱の兵火に会うなどしたが、豊臣秀吉の恩顧によって再建。
昭和47年より天龍寺塔頭弘源寺の境内にあったが、平成14年1月に現在地に移り再興した。
「都林泉名勝図会」にも掲載された、嵐山を借景とする回遊式庭園「獅子吼の庭」は紅葉と巨岩を配した庭園である。
本堂障壁画「風河燦燦三三自在」(田村能里子画伯筆)がある。特別公開時のみ。
平成15年に、庭園内に大正時代に建てられた茶室が修復を終え、「青嶂軒(せいしょうけん)」と名付けられ、茶会会場としても利用されるようになった。
◆由緒
大亀山宝厳院は臨済宗大本山天龍寺の塔頭寺院で寛正二年(1461)室町幕府の管領細川頼之公により天龍寺開山夢窓国師の第三世法孫聖仲永光禅師を開山に迎え創建された。
創建時は、京都市上京区に有り広大な境内を有した寺院であった。応仁の乱により焼失したが再建され天正年間には、豊臣秀吉より御朱印料三十二石を付与、徳川幕府も明治に至るまで外護した由緒寺院である。その後、変遷を経て天龍寺塔頭弘源寺境内に移転の後、現在地(旧塔頭寺院跡)に移転再興された。
本堂には、本尊聖観世音菩薩、脇仏に三十三体の観世音菩薩、足利尊氏が信仰したと寺伝にある地蔵菩薩像が祀られており、西国三十三ケ所巡りに等しいと伝えられている。
◆獅子吼の庭
この庭園は室町時代に中国に二度渡った禅僧策彦周良禅師によって作庭された名園で嵐山を巧みに取り入れた借景回遊式庭園である。「獅子吼」とは「仏が説法する」の意味で、庭園内を散策し、鳥の声、風の音を聴く事によって人生の真理、正道を肌で感じ心が大変癒される庭である。
庭園内には須弥山を現す築山、その前には人生を思わせる「苦海」(空池)が広がり対岸には「雲上三尊石」が有り海の中には、「此岸」より「彼岸」に渡る舟石、仏の元に渡る獣石が配置されている。また策彦禅師が命名された「獅子岩」、「碧岩」や「響岩」といった巨岩を身近に観る事が出来る。回遊路の途中には「破岩の松」が天に向かって真っすぐ生えているのを見ると「願心」の大切さを痛感する。
また、この庭園は江戸時代、京都の名所名園を収録した「都林泉名勝図会」(秋里籬島著)にも掲載された名園中の名園である。
春は新緑、秋は紅葉と一年を通して目を楽しませてくれる。
門前には、「嵐山羅漠」が祀られており、「羅漢」とは釈尊の弟子で崇高な修行者、「悟りを得た人」を意味する。「五百羅漢」を天下の景勝地・嵐山に建立する事により、人類の安心立命と嵐山の守護・景観保全を祈念するとともに、有縁無縁の菩提を弔うものである。
夢窓国師日く『山水ニハ得失ナシ、得失ハ人ノ心ニアリ』