真如院

織田信長、足利義昭の旧跡。うろこ石を並べた独特の枯山水庭園である。 園内に瓜実灯篭、烏帽子石、呼子手水鉢がある。

佛光寺

真宗佛光寺派の本山。 1212年(建暦2)越後に流罪になっていた親鸞聖人が一時帰洛されたとき、高弟源海上人が山科に創建した寺院を起源とする。 7世了源上人のときに東山渋谷に寺基を移転する。 その時、ご本尊の阿弥陀如来像が盗難に遭うという事件が起こるが、時の天皇、後醍醐天皇の夢の中に盗難された阿弥陀如来像の瑞光が現れ、その光をたどってご本尊を取り戻すことができた。 このことにより後醍醐天皇から「阿弥陀佛光寺」の寺号を賜ったという。 1586年(天正14)、豊臣秀吉公が方広寺建立のとき、代替地として現在地に寄進され移転する。 阿弥陀堂に安置する聖徳太子像は重要文化財に指定。

常林寺

光明山摂取院常林寺と号する浄土宗の寺院である。 天正元年(1573)、念仏専修僧、魯道(ろどう)によって開創され、当初は、寺町荒神口(上京区)に建てられていた。 創建時より、知恩院とゆかりが深く、本末制度が確立したときには、総本山知恩院の役番としての地位を占めていた。 しかし、寛文11年(1671)には、寺町の大火により類焼し、堂宇を悉く焼失した。 その後、現在の地に移転し、元禄11年(1698)、英誉(えいよ)によって本堂が再建された。 また、幕末の頃当寺は、勝海舟が宿坊として利用していたといわれている。 本堂には、本尊の阿弥陀三尊像が安置され、地蔵堂には、古くから若狭街道を往来する人々の信仰を集めたといわれる世継子育(よつぎこそだて)地蔵尊が祀られている。 また、当寺は、通称、「萩(はぎ)の寺」の名で人々に親しまれており、初秋には、紅白の萩の花が、境内一面に咲き乱れる。 なお、毎年9月の敬老の日には、「萩供養(はぎくよう)」が催される。